会社の健康診断をしてみましょう! ー 財務分析 ④成長性について

財務分析についての4つの視点、
最後にご紹介するのが成長性についてです。                   

急速に売上シェアが拡大している企業があるとして、本当にその企業は「成長している」と言えるのでしょうか?
成長性分析を行うことで、「本当の成長」かどうかを判断することができるようになるのです!

成長性

成長性とは、会社の規模がどのように拡大したか、あるいは拡大するかを示す比率です。
次の3つの視点から分析されます。

①成長率:企業規模の拡大率を測定・分析
     売上高成長(増加)率 付加価値成長(増加)率 総資本増加率 など

②成長可能性:成長能力を予測するのに必要な比率を測定・分析
       売上高研究開発費比率 売上高教育研修費比率 など

③成長要因:成長理由を解明することを課題とする定性的な分析
      従業員の平均年齢 新製品開発比率 など


ここでは、主に①成長率の分析について見ていきましょう。

成長性の良否を判断する際は、対前年比増加率や数期間の平均増加率を求め、基準値(業界平均や業界トップ企業の数値)と比較します。
成長(増加)率は、経営活動の手段に着目するか、成果に着目するかによって、2つのグループに分類されます。

経営活動の手段:規模の拡大を資本、資産、従業員等のインプットの増大に着目
  固定資産増加率 自己資本増加率 従業員増加率 など

経営活動の成果:規模の拡大を売上高、付加価値等のアウトプットの増大に着目
  売上高成長(増加)率 付加価値成長(増加)率営業利益増加率経常利益増加率) など

インプットに着目してそれを成長率の目標としてしまうと、遊休設備の発生や過大投資を招きやすくなってしまいます。
また、従業員増加率は、省力化投資によって人員の増加を抑える方策を取っている場合に、状況をうまく指標に反映することができません。
一方、アウトプットに着目する指標は、規模の拡大を示すとともに、企業の目的とも合致しています。
よって、成長率の指標としては、アウトプットに着目する指標の方が優れていると言えます。

 

売上高成長(増加)率(%){売上高(評価年)-売上高(基準年)}÷ 売上高(基準年)

この指標は、企業の市場における成功・失敗を直接的に示しており、企業の総合的な努力を反映する指標です。
比率が高ければ高いほど望ましいと言えますが、業界平均や業界トップ企業と比較して満足できる水準かどうかも見てみる必要があります。

付加価値成長(増加)率(%)={付加価値(評価年)-付加価値(基準年)}÷付加価値(基準年)

付加価値は企業の生み出した価値なので、この指標は企業の努力の結果をほぼ純粋に示している指標と言えます。
そして、分配資源としてステークホルダーの利害と共通であるため、成長性を測る指標として論理的に最も優れています。

 

いかがでしたか?
成長性分析を行うには、売上高や付加価値(営業利益や経常利益)など様々な指標を使って、それぞれの結果を複合的に判断することが大切です。
当期のデータだけでは正しい判断は難しいので、過去数年間のデータや業界平均値を用いて分析していきます。
会計ソフトのデータをうまく活用して、有意義な分析ができるといいですね。

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ここまで4回にわたって、財務分析について解説してまいりました。
4つの視点を組み合わせて、総合的に会社の経営状況を正しく把握できるようにしていきましょう。
次回は、収益性分析についてさらに深掘り解説をしていきたいと思います!お楽しみに!

  

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